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2016.02.24

闘病中の食事

グリは慢性腎不全の初期の頃は体調不良は感じていないようで、療法食を食べてました。

しかし病気が進行するにつれて食が細くなり、2014年6月にクレアチニン値が5オーバーとなった頃には、療法食どころか他のフードも食べれなくなりました。

ここから8カ月間の、『食べること』との戦いの幕開けです。

 

今まで好きだったフードでも、匂いを嗅ぐだけになったり、舐めるだけになったり・・・

食べないと病気と戦えない、体重が維持できない、とあれこれと試行錯誤。

手を代え品を代えて何か食べてくれるものを探そうと必死になり、ドライフード、ウェットフード、肉、魚、など様々な種類を試みました。

やっと食べるのが見つかりホッとするのも束の間、数回食べるともう食べなくなることが度々。

 

 

*学習による拒食

猫には「学習による拒食 (learned taste aversion)」 というものがあり、「何らかの原因で胃腸の具合が悪くなると、その前に食べたフードと関連付けをして記憶する」という説があります。

(a) 以後はその食餌を食べなくなる (動物看護のための小動物栄養学 H20年改訂版)

(b) 猫は一ヶ月ほどの長期間、その食餌を食べない (本のタイトル忘れました。ご存知の方がいらっしゃいましたら、お知らせ頂けると嬉しいです) 

 
上記のどちらの説が正しいのかはわかりませんが、(b)説であって欲しいと思います。
 

昨日まで食べていたフードを拒否し、好きだったフードも匂いを嗅ぐだけでそっぽを向いてしまう・・・

グリは、食べた事のない目新しいフードを提供すると興味を示しましたが、もしかしたらそれは、病気による体調不良をフードと関連付けていたから・・・かもしれません。

 

 

*軟らかいフード、固いフード

食欲がなくなった時、「口内が痛いから食べれないのかもしれない、軟らかいフードをあげよう」と、軟らかいものばかり用意したことがあります。が、それでも食べません。

途方にくれてC獣医さんに相談したら、「口の中が痛い猫ちゃんは、ウェットよりもドライフードを食べる子が多い」とのこと。

半信半疑でドライフードを試したら、なんと、食べるではありませんか! 

口の中が痛いときには、ドライフードの方が負担が少ないのかもしれません。

個体差はあるでしょうが、試してみると良い結果になるかも・・・。

 
ドライフードを食べるようになると、食事の弾みがついたようで、ウェットも徐々に食べるようになりました。

ウェットと共に、ドライフードも最期まで食べていました。

ただ、大粒ではなく小粒が食べやすく、グリの好みは、

@  ロイヤルカナンのベビーキャット(1~4カ月用) ・・・ 極小粒で食べやすく、しかも栄養満点。
   他のベビー用フードも試しましたが、これが一番のお気に入り。

@ ル・シャット デトレ ・・・ 小粒の腎臓病用のフード

 

猫缶などのウェットフードの他に、鮭、キス、鶏、牛肉なども食べさせました。

猫缶は、腎臓によいとされる貝、腎臓、レバーが入っているものをチョイスしましたが、食い付きが・・・。

結局は、食いつきがよいフードが優先。

殆ど何も食べなくなった頃、最後に興味を示したのは、「あんこうの肝」(腎臓病によい、とA獣医さん談)

舐めるだけでしたが、食べる素振を見せてくれたのが涙が出るほど嬉しかった・・・

 

 

*ウェットフードの形状

ウェットフードには色々な形状があります。

フレークタイプ、パテ、スープ、シチュータイプなど、中身の形が違います。

グリの場合はどんなタイプも食べていたのですが、病気が進行すると形のあるものが入っていると食べにくそうになりました。

ペースト状にすると食べやすいようで食が進みます。

初めはフードプロセッサでフードを粉々にしましたが、やはり部分的に小さな塊りが残ってしまいます。

 

そこで、すり鉢を使用しましたが、一回にすり潰すのは20g程度。

すり鉢に残ったフード割合が大きく不経済です。

Nyubati

 

次に、乳鉢に変更しフードの無駄はなくなりました。

でも、毎回の乳鉢作業は時間がかかるし、腕が疲れます。

 

 

 

そこでやっと、便利なものに出会いました。Mil_2

イワタニ・ミルサー。

少量でも無駄なくフードをペースト状に出来ます。

これで時間も労力も大変楽になりました。

使い終わったら洗剤を入れて撹拌するだけで、後始末も簡単。

 

 

 

 

 

 

 

*フードの風味

ドライにしてもウェットにしてもオープンしたてのフード、新鮮な食品の方が食いつきが良いのは、どの猫ちゃんでも同じでしょう。

特に食欲がない時は、風味の落ちたフードは見向きもしません。

そこで重宝したのが、液体物OKの真空パック器ダッキーです。

専用真空袋ではなく一般の真空袋が使えるのでランニングコストは安くなります。

猫缶もドライも、オープンしたらすぐに小分けしてパック詰めしておくと、風味が落ちないようです。Ducky

 

 

 

 

 

 

真空袋は下記の袋を使っています。

 
@ 彊美人(きょうびじん)真空三方シール袋  
  耐熱温度    : 100℃30分ボイル、-40℃冷凍
  酸素バリア性 : ミドルバリア。
  袋サイズ     : 0.07×120mm×170mm 

   ・・・ お手頃価格で通常はこれを使っていますが、酸素遮断は中程度です


@ ハイバリア彊美人 (酸化防止に優れています)
  耐熱温度    : 100℃30分ボイル、-40℃冷凍
  酸素バリア性  : ハイバリア

   ・・・脱酸化剤と一緒に使います。

 

@ 酸素遮断チャック袋 虫キラーS
  食品の長期保存を可能にする、酸素遮断チャック袋。
  チャック袋にも関わらず、酸素の遮断が可能。
  袋サイズは  320ミリ×425ミリ、厚みは0.095ミリ

   ・・・備え・防災セレクトショップ そなえるすとあで購入できます。

ドライフードはオープンした時に50gづつの真空パック詰めにし、脱酸素剤エバーフレッシュと一緒に酸素遮断チャック袋に入れ保存。

これで風味の劣化がかなり抑えられ、猫様には好評です。

今でもドライもウェットもフードは小分けにして真空パックで保存しています。

ご紹介したグッズは、殆どはアマゾン・楽天市場・Yahooショッピングで購入できます。

彊美人シリーズはYahooショッピングのショップで送料無料で扱っています。 

 

 

2016.02.16

慢性腎不全の子にとっては、水分の補給はとても大切です。

毎日口にするものですから、出来るだけ健康に良いものを準備したいですね。

 

水素水は慢性腎不全の猫ちゃんには効果的である、とのお話をお聞きします。

しかし、市販の水素水のパッケージでは一度開封したら水素は空気中にどんどん逃げていってしまうので、開封後1~2時間が限度とのこと。

我が家でも水素水の導入を検討しましたが、猫が水を飲みたがった時にすぐに対応することは困難なので、水素水は諦めました。

 

そこで登場するのが「蒸留水」、自然療法の獣医さんのお薦めです。

蒸留水はもっとも純粋な水であり、解毒作用もあり体内への吸収が良いそうです。

我が家では浄水器(三菱クリンスイ)でろ過した水から、蒸留水を作っています。

使用しているのはメガホームの蒸留水器。

蒸留水器のボディに入れた水を沸騰させ、その湯気となった気体を冷却して水に戻しガラスの容器に貯めるという仕組みで、不純物を含まない蒸留水を作ることができます。

但し、ボディに入れた水は全部を蒸留させず、1割程度の水は残るようにします。底に濃度の濃い不純物が残るので、それを廃棄するためです。

ボディの水が全て蒸留されたら自動で終了しますが、タイマーで蒸留が途中で終わるようにセットすると便利です。
一回分約4リットル生成には、約5時間要します。


* 浄水器・・・三菱クリンスイ    
  フジテレビの番組「ほこたて」に、最強浄水器としてクリンスイが登場しました。

 

* 蒸留水器・・・メガホーム Jouryu3
  お手頃価格の台湾製。
  作動音は大きいですが、問題なく使用しています。




 

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慢性腎不全の闘病

グリが慢性腎不全と診断された時、それに関するあらゆる情報、特に治療法や闘病方法について書籍やネットから情報を得ようと必死でした。

慢性腎不全についてのサイトからは、色んな情報を参考にさせていただきました。

その上で、獣医さんに教えて頂いた事、医療・食事・その他、便利グッズ等々、ご紹介することで病気の猫ちゃん介護のお役に立てるかも、と思っています。

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慢性腎不全は高齢猫の罹患率が高い病気です。

愛猫が慢性腎不全と診断された時、目の前が真っ暗になりますが、泣いている場合ではありません。飼い主としてこれからのことを決断しなければなりません。

積極的に治療をしていくか、それとも自然の流れに任せるか。

病院で治療を受けさせないことを選択したとしても、たっぷりの愛情を与えてあげれば、ペットは幸せだと思います。毎日のお食事があり、雨露をしのぐ場所を提供してくれただけでも、ペットは感謝していることでしょう。自然界では病気になった時点でもう・・・かなり厳しい。

治療を望むなら、金銭的・時間的な余裕が必要。治療費はかなり高額になることもあります。でも経済的なことは獣医さんと相談しながら治療を選択することも出来るでしょう。

我家の場合は、グリが生きる希望を持ち続けている限り、医療を含め全力でサポートすることにしました。つまり、食べようとする行為や食べ物の匂いを嗅ぐ行為があれば、「生きていたい」という証。
しかし食べるのを止めた時、生きるのを諦めたと判断するのは性急です。状況の見極めが大切です。
グリが一時期食べなくなった時、獣医さんは「グリちゃんを信じて待ってあげましょう」と。
そしてグリは期待に応えてくれ、その後食欲は回復し、体重が少し増えてきたのです。

昨年7月、病状が急に悪化してからの7カ月の間にはいろんなことがありました。
もうダメだと思ったことが幾たびか・・・。
でもグリは復調し、吐き気に襲われることのない穏やかな日々を過ごすことが出来ました。

獣医師でもない私が出来ることは、信頼できる獣医師さんの指導を受けながら、毎日の食事と生活の援助・精神的支えがメインです。

幸いなことに、主治医は地元では最も信頼されている獣医師さんの一人。
病院が混むので待ち時間が長いこと以外は恵まれています。

西洋医学では「慢性腎不全は治らない、最期は苦しんで逝くことが多い」といわれている病気・・・

治らないのは受け入れるとしても、QOLは保ちつつ出来るだけ長生きして欲しい、最期まで苦しまないで楽に生きてほしい、との願い。

グリの闘病を通して得た情報や介護の仕方など、少しづつ記事にする予定ですが、まずは掲載予定の記事の概略のみ、ご紹介します。
  

*治療法
医療機関の選択・・・西洋医学・東洋医学・自然療法など。
特に自然療法の「ホモトキシコロジー」は慢性腎不全には飛びぬけて効果が高い療法です。その他グリが受けた自然療法をご紹介します。

 

*食事
慢性腎不全の初期のころは、療法食ジプシーになりました。
少しでも口に合った療法食を求め、多くの種類を試してみました。
病気が進行すると食が細くなり、何でもいいから食べてくれる食材探しやフードの形状に苦心しました。
ドライ、ウェット、その他、魚、肉などなど。
更に食べやすくするために、フードプロセッサ → すり鉢 → 乳鉢 → ミルサー、と変化していきます。

 

*皮下輸液
点滴針は細ければ細いほど、痛くありません。グリの場合、病院から最初に頂いたのは18ゲージの太い針でした。皮膚に針を刺す時のあの感覚、苛めているような罪悪感…刺し方が悪いとグリも痛いようでしたが、エイヤーッと刺す私の心も痛い・・・
針を21ゲージ、23ゲージと細くするにつれ、グリの身体も、私の心の負担も小さくなっていきました。23ゲージならば針を刺すときの抵抗はなく、針を抜いた後の出血もなし。
23ゲージの場合は通常のぶら下げるだけのやり方では液が吸収されません。我が家での点滴方法をご紹介します。

 

*水
慢性腎不全の子にとっては、脱水は危険です。毎日口にする水はとても大切。
浄水器でろ過した水を蒸留した水がお薦めです。

 

*情報収集
資料を集めるためには、国立国会図書館の利用がお勧めです。国内で出版されたほとんどの図書を収蔵していて、地方にいても貸出しや複写サービスが受けられます。
ネット情報依存は危険です。古い情報が出回っていることも。昔から変わらないこともありますが、動物医療・ペットフード事情は変化していきます。

私もかつては「ペットフードが危ない(2003年版)」や類似の本を読み、市販のペットフードに危機感を持っていました。その後ペットフード安全法が施行され、また消費者・業者の努力もあり、ドライ・ウェットともに安全なフードが市販されるようになりました。

動物医療に関しても、素人の私たちには最新の学術論文を読みこなす力も方法もなく、手に入る書籍を何十冊、何百冊読んだところで所詮素人、ただの(勉強熱心な?)飼い主に過ぎません。
飼い主としての知識は必要ですが、専門家(獣医さん)の知識と経験と技術に頼るのが一番です。
「餅は餅屋」、信頼できる専門家を見つけましょう。

 

*QOLの維持
QOLの維持は何よりも大切にしたい! 
毎日の闘病生活を支えるためには、本猫はもちろん、飼い主の精神的健康も大切です。
日々の生活をより快適に過ごすためのお役立ちグッズなどをご紹介。

 

*口内ケアの重要性
歯周病菌が心臓病や腎臓病の発症の一因となることは、もはや常識になっているようです。犬では証明されているそうですが、猫の場合は、「まだ関連性がはっきりしない」、「関連している」、との両意見があります(2016年1月現在)。いずれにしても可能性が大きいということならば、ケアするのがベター。
日課の歯磨きと口内ケアの方法をご紹介します。

 

*強制給餌
強制給餌はなるべく避けたいですが、グリにも一時期、強制給餌を経験しました。
お役立ちグッズなどをご紹介。

 

*サプリメント
腎機能サポートのサプリメント、腎不全に効果的なサプリメントをご紹介します。

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2016.02.03

グリの一周忌

昨年の平成27年2月3日早朝、グリが穏やかに旅立ちました。

慢性腎不全でした。

14歳6カ月、まだまだ一緒にいれると思っていました。

あの日からもう一年。

時の流れが早いようで遅いようで。。。

 

 

グリの病気が悪化してからの7カ月間、私の脳裏には絶えず不安や心配がこびりつき、心臓がバクバクの状態がずーっと続いていました。

覚悟が出来ないまま、お別れが来るのが怖くて怖くて仕方がありませんでした。

きっと混乱し、号泣し、胸が張り裂けるに違いない、絶望と悲しみの底に落ちてしまうだろうと恐れていました。

ペットロスになることに自信満々?な状態。

 

ところが、その時、なんと! グリを笑顔で見送ることができたのです。

驚くべきことに・・・感謝の気持で満たされ、温かい風が私を包んでいるようです。

想像していた「お別れ」とは全く違う思いが溢れ、自分でさえびっくりポンの驚きでした。

お別れの時、グリに伝えた言葉。

・・・・・・・・・・・・・・

『グリ,頑張ってくれて有難う。

うちに来てくれて有難う。

一緒に過ごせて楽しかったよ、有難う。

たくさんの幸せな思い出を有難う。

グリには感謝の言葉しかないの、本当に有難う。』

・・・・・・・・・・・・・・・

グリのお位牌の前、写真の前では泣かないことに決めました。

闘病中もそうであったように、天使グリにはいつも笑顔で語りかけています。

泣きたくなった時には、顔をあげて「ありがとう!」、という言うことにしています。

「守ってあげれなくてごめんなさい」は、言わないことにしています。

ただ・・・やはり、
「グリ、なんで、どうして、行ってしまったの?」とグリを責めたり、

「グリがいなくなってしまったことは夢に違いない、現実は違う、ほら、そこにグリが!」と思ったり、

そんな時は、イケナイ・イケナイと首を横にふり、顔を天井や空に向け、「グリ、ありがとう」と呟きます。

グリが残してくれた豊かさに思いを馳せることで、温かな感謝の気持が湧いてきます。

信頼できる獣医さんからのサポートや、「ペットロスにならない方法」講座の受講などを通して、グリとのかかわり方を学べたことが幸いでした。

 

 

もう少しで、グリが旅立った時間になります。

あの日あの時、この場所でお別れしました。

グリ、今日だけは、あの日のグリ、闘病でやせ細ったグリ、頑張ったグリを思い出し、悲しみに暮れることを許して下さいね。

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