悲しみと怒り
信じられない出来事が起こりました。
気持ちが動揺し、どう表現したらよいのかわかりません。
取り合えず、私が経験した経過を書いていきます。
*** Part1
11日夜8時7分。 友人から電話。
「ねこさま王国のありこさんちのリーちゃん(黒猫・長毛)が脱走してしまい、近所の人に捕まって山に捨てられたらしい。ありこさんは泣いて混乱している」と。
ありこさんに電話をすると、電話口で泣いているばかり。気が動転し正常じゃない。
午後9時頃。夫と共に、ありこさん宅に到着。
玄関に出てきたありこさんは、歩くのもやっと・・・
「竹田の山に捨てられた・・・」と泣くばかりで、言葉にならない。
「捨てた場所を聞いてくるから、その人の家に案内して欲しい」と言っても、動くことも出来ない。玄関に座りこんだまま。
いつものありこさんとはまるで別人。
本来は、判断力も行動力も人並み外れて優れている人なのに。
ヨロヨロとふらつきながら道を歩くありこさん、後ろから来た車を避ける事すら出来ない状態。
支えていないと倒れてしまいそう。。。
当人の家の前に着いた時、タイミングよく奥さんが車で帰宅し、カーポートに駐車した。
その車は、猫に傷を付けられたという赤い車。
そしてそのカーポートに仕掛た捕獲器で、リーちゃんを捕まえた。
「捕まえた猫はどんな猫でしたか? どこへ持って行ったのですか?」
と聞くと、「私は知りません。見ていません。前に捕まえた茶色の猫は見たけれど、今回の猫は見ていないのでわかりません。主人に聞いて下さい、でも今は仕事で留守です」と。
*** Part2
ありこさん宅にもどり、その当人の仕事場に電話。
携帯に電話をするように指示されて、携帯に掛け直す。
「******(当人の不利になるので表記はしません。)*********」
大まかに言うと、
* 猫に車を傷つけられたり糞尿をされたので被害者は当人側である。
* 帰宅したら仕掛けた罠に猫が掛かっていたので、そのまますぐに竹田の山に持っていった。
* 保健所に持っていったら即日処分なのだから、それよりは山の方が良いはず。
* 前に捕まえたのは茶色の猫だったが、今回は黒白の混じった猫。長毛でなく短毛。
* 迷惑だから、今後はもう電話をしないで欲しい。
相当にご立腹のご様子。
[リーちゃんなのかどうか] [放たれた場所]、この2点は何としても聞き出さなくてはならないので、 怒らせまいとひたすら低姿勢で応答する。
まず、リーちゃんかどうかの確認。黒に白が混じっている猫だというので、どの部分に白が入っていたかを聞いても、「暗かったからよくわからなかった」と言う。そして「短毛」だと。これが真実ならばリーちゃんではないはず・・・。
そして、場所の確認。「竹田の山に入り、集落の少し前で放した。道路の右側」と。それ以上は話してもらえない。あまりに漠然としている。
わかったのは、9日にリーちゃんが脱走してその後まもなく捕まり、すぐに山に放たれたらしいということ。
もちろん、車を傷つけたり糞尿をしたのはリーちゃんではない。
そして、空腹ではないリーちゃんは、仕掛けられたマタタビに釣られて捕獲器に入ってしまった、というところだろう。
他のメンバーさんも合流し、取り合えず山に向かう。
*** Part3
竹田の山とは、熊も狸もイノシシも多数生息する山。
完全室内飼いで大切に育てられたリーちゃんが、未知の世界の真っ暗な森の中に捨てられて、どれほどの恐怖に襲われているかと、思うだけで辛くなる。
生きていて欲しい! 見つけたい! とそれを願いつつ山道に入る。
行けども行けども、暗闇で集落が見つからない。
「こんな場所に捨てられて・・・」とありこさんが泣き出す。
わたしも泣きたい、でも、泣いていられない。
工事現場が目に入る。
「電話はお断り」と言われたけれど、再び電話をして場所を確認する。
「こちらが被害者なんですよ、迷惑です。もう掛けないで下さい」と言いながらも、もっと先だと教えてくれた。一応、感謝!
*** Part4
やっと集落らしきものが見えた。
この辺り?
捨てるとしたら、駐車しやすい場所に違いない。
辺りを探したら、道路巾が広くなり数台の車が駐車できるスペースがあった。
ここかもしれないと車を止め、捜索開始。
真っ暗な中、懐中電灯を頼りに名前を呼びながら歩く。
集落の中の民家には、迷い猫のチラシを配って情報提供を期待。
しかし、場所を特定出来たわけではない。
恐る恐る当人に電話をして、翌朝に現場へと案内をしてもらう事を了承してもらった。
今から考えると、熊に遭遇しなくて良かった・・・
*** Part5
12日午前9時半にありこ家に捜索隊が集合。
深夜になっての声かけだったのに、総勢で20人以上は集まった。
当日はねこさま王国のバザーがあり、そちらに人手が取られたにも拘らず、これだけの人が集まったのはありこさんの人柄だろう。
当人が運転する軽トラ車(これにリーちゃんが乗せられて捨てられたんだろうな)の後を車の列が続く。
やがて現場に到着。
やはり昨夜の捜索場所は違っていた。
集落からはもっと離れている無料パーキング。
昨夜は、無料パーキングだと教えてくれなかった・・・何故に?
降りしきる雨の中、捜索開始。
が、当人はすぐに現場から立ち去る。
結局、雨の中の捜索にも拘らず、収穫なし。
当人の話からは、放たれた猫はリーちゃんとは別猫のようなイメージ。
リーちゃんであって欲しくない、という気持ちも大きく働く。
そうだ、リーちゃんを捕らえた捕獲器を調べれば、猫毛がついているかもしれない!
一旦引き上げ。
*** Part6
当人に捕獲器を見せて欲しいと依頼に行く。
午前中に役場に返したと。
役場に電話をして当人が返却した捕獲器を見せてもらうことになった。
ありこさんを含めて5人で役場に向かう。
黒い長毛が相当数絡んでいた。
全員、絶句。 リーちゃんの毛に間違いない。
違っていて欲しい、という願いが消えた。。。
*** Part7
13日午前9時半 ありこ家に捜索隊が再集合。
今日も大勢の人が集まってくれた。
前日の冷たい雨と違い、蒸し暑い日になった。
今日も見つからない。
解散。
夕方、再び山へ。
ところがなんと 茶白の猫さんがいたっ!
「この辺に茶白の猫はいない」という地元の人の話から推察すると、当人が数日前に捕らえて放したという子に違いない。
この子が元気でいてくれた事で、リーちゃんの生存も夢ではなくなった。
リーちゃんは、この山のどこかできっと元気でいてくれる、そう信じています。
そして、一日も早く、ありこさんのところに帰って来ることを願って止みません。
色々と言いたい事は山ほどあります。
が、当人は自分の非に気がついたようですし、追い詰めるのが目的ではありません。
このような事件が二度と起きないように、世の中の認識を変えていかなければならない、と切実に思います。
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