『イルカのラボちゃん』
それは10年前の1月に起きた、ロシアタンカー重油流出事故。
沿岸に漂着した重油の回収作業のために、全国から大勢のボランティアの方々が駆けつけました。
姉と甥っ子の3人でボランティア活動に参加。
この海岸を見た瞬間、全身に鳥肌が立ちました。
まるでこの世の終わりのよう・・・真っ黒なんです、海が。
沿岸には、重油で煮卵になったような石が果てしなく広がっていました。
私たちが携ったのは、石にこびり付いた重油を布で拭き取る作業。
一つ一つの石を拾い上げ、
重油を拭き取り、海に返す、
重油を拭き取り、海に返す、
重油を拭き取り、海に返す、
重油を拭き取り、海に返す
・
・
・
拭いても拭いても、地面から重油が沸いてくるようで限がない作業。
気が遠くなりそう~~~
周りを見回すと、大勢の人々がただ黙々と石を磨いている。
大勢で何時間も作業をしても、一向に綺麗になった感じがしませんでした。
腰も痛くなるし、立ち込める重油の臭いに気分が悪くなる始末。
今日の成果が見えなくとも、きっといつかは元の綺麗な海に・・・
そんな願いを抱きながら、黒い海を後にしました。
それから2週間後だったと思います。
暗い思いで、再び重油の海へ。
驚きました、格段に綺麗になっているのです。
コツコツと石を磨く人、身体をはって重油を回収する人々の努力が、海を救出しつつあるのを実感しました。
さてさて、本題のイルカのラボちゃん。
重油は、松島水族館のイルカにも影響を及ぼすことになったのです。
イルカのプールに油粒が浮き始め、職員とボランティアの方が24時間態勢で油膜を取り除く作業を続けましたが、イルカの目が濁り始め限界。
イルカを緊急避難させる事態となりました。
問題は生後6ヶ月の乳飲み子イルカ・ラボちゃん。
幼イルカの長時間移送は世界にも例がなく、
専門家が 「移送に耐えられない、間違いなく死ぬ」と予想。
そんな中で、ラボちゃん救出の必死のプロジェクトが決行されたのです。
松島水族館から避難先の神戸須磨海浜水族館までの5時間の移送中、ラボちゃんと母イルカのフローラの様子はインターネットで情報提供されていました。
恐らく、ボランティアの方が発信なさっていたのだと思います。
「お願いです、助けて下さい!」 と祈るような思いで、この情報を見続けていました。
避難先に到着し、ラボちゃんは大丈夫だ、と知った時には感動の嵐\(^o^)/
ラボちゃんたち親子は、数ヵ月後に松島水族館のプールに帰ってきました。
ラボちゃんは人懐こいイルカに育ち、今はイルカショーの主役だそうです。
ラボちゃんの11歳の誕生日に当たる今日26日、奇跡の救出劇が絵本「イルカのラボちゃん」として出版されました。
県内の主要書店で発売。ネット購入は???
ちなみに「ラボ」は、ボランティアをもじって移送直前に命名されたそうな。
そして現在の海は、元の美しさを取り戻しています。
あのような大惨事に巻き込まれた海はもう、その面影を残していません。
あの時一緒に重油をぬぐった甥っ子。
寄り道はしたけれど、新しい目標に向かって出発したばかり。
あの海のような、生命力が強く懐が深い人間にな~れ!
イルカほどのジャンプ力はありませんが、ミルミルのジャンプもなかなかのもの。
ミルミルほどではありませんが、チルチルのジャンプもそれなりの猫ジャンプ。
あ~可愛いっ♪ 本日一番のショットです。
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